2017/05/29
【その6】
失笑
失笑は、「笑いを失う」と書くので、「笑いも出ないくらいあきれる」といった意味で使われがちですが、本来は「笑いを抑えることができず吹き出す」という様子を言ったものです。
正:おかしさをこらえることができず吹き出すこと。
誤:冷たく笑う。
上司が真面目な話しているのに、ちょっとツボに入って、(やばい!おもしろい!我慢できない!ぷふっーーー)ってなることを「失笑」といいます。ただ、この言葉も最近では「笑いもでないくらいあきれる」という意味で捉えている人のほうが多くなっており、本来の意味のほうが通じなくなってきています。
【その7】
姑息
姑息は、卑怯だという意味で使われることがありますが、その使い方は間違いで、正しくは「一時しのぎの、その場のがれの」という意味です。
「姑息な手段」というのは、「卑怯な手段」ということではなく、「その場しのぎの手段」という意味になります。
【その8】
敷居が高い
敷居が高いは、「高級すぎるから入りにくい」「自分には場違いなので入りにくい」という意味ではありません。正しくは「相手に迷惑をかけたり、後ろめたいことがあったり、その人の家に行きにくい」という意味です。後ろめたくて行きづらい場所のことをいいます。
相手に怪我をさせてしまい、その人の家に謝りに行くときなど、「敷居が高い」と言います。
【その9】
小春日和
小春日和の季節は春ではありません。
「小春日和」は「小さい春」と書くので、春に近い時期だったり、春のような暖かい日をそう呼ぶのかなと思いがちですが、時期がちゃんと決まっています。それは11月から 12月上旬にあたる時期です。晩秋から初冬にかけてあらわれる穏やかな暖かい晴天の時期のことを「小春日和」といいます。
【その10】
懐石料理
懐石料理は、豪華な料理というイメージがありますが、これは間違いで「簡素な料理」といったほうが正しいです。よく「会席料理」と間違われますが、意味は全く別のものになります。料理の目的も違います。
・懐石と会席料理は音が共通するため、しばしば混同されるが、両者は全く別のものであり、料理を提供する目的も異なっている
・懐石は茶事の一環であり、茶を喫する前に出される軽い食事で、酒も提供されるが、目的は茶をおいしく飲むための料理である。
・一方、会席料理は本膳料理や懐石をアレンジして発達したもので、酒を楽しむことに主眼がある。
・料理の提供手順も異なっているが、顕著に異なるのは飯の出る順番である。懐石では飯と汁は最初に提供されるが、会席料理では飯と汁はコースの最後に提供される。